お金が嫌いでは金持ちにはなれない

お金はお金が好きな人の所に集まる。これは村上ファンド代表を務めた村上世彰の「生涯投資家」の中で、村上氏の父が息子世彰に言ったセリフです。

お金は寂しがり屋で、お金が集まるところに集まるという話でした。日本人は旧来から清貧という言葉通り、お金をガツガツと追い求めることを良しとしない文化がありました。

今でこそ20代〜30代を中心に非課税制度を活用した資産運用が広がりを見せていますが、親世代はお金は汗水垂らして稼ぐもの、という認識は根強いままです。私の両親は金融機関で働くサラリーマンでしたが、一定の金融リテラシーを持つ二人でさえ投資でお金を稼ぐという考え方には否定的でした。

実際に、大学時代に株式投資をしていることが発覚した時は烈火の如く怒られました。すぐさま辞めるように忠告されました。

しかし私はお金を稼ぐことが好きでした。お金持ちになりたかったのです。

高校生の時にウォーレン・バフェットというアメリカ人投資家の存在を知りました。当時で総資産8兆円、ビルゲイツ に次ぐ世界第2位の富豪でした。

Photo:Mint/gettyimages

投資だけでなり上がったバフェットに私は強い関心を持ちました。大富豪バフェットは50年以上前に買った中古の家で暮らし、食事は毎日欠かさずマクドナルドとチェリーコーク。そして高級外車やクルーザーなどとは無縁の、およそ金持ちらしい暮らしはしていない好好爺でした。

さらに驚くべきことに、稼いだお金の使い道の大半が寄付だったという点です。私はそれほどまでに利他の精神を持つ人物を見たことがありませんでした。

バフェットの生き方に衝撃を受けた私は強く「お金持ちになりたい」という夢を持つようになりました。お金持ちになれば世の中をより良い方向に変える力を持てると思ったのです。

20歳の誕生日に私は投資家デビューしました。アベノミクス、チャイナショック、コロナ禍など荒れる波の中を何とか生き残れています。

あれから時は経ち、お金を沢山持っていれば世の中を変えられるという青い考えはやや薄まりました笑

でも今でもバフェットの生き方は私の目標です。自分の人生を創る手段として、自己実現の手段として、これからも真摯にマーケットと向き合って行きたいと思います。

これからマーケットに臨まれる個人投資家の方の参考になれば幸いです。

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