株式投資の世界では、「大企業は安定している」「初心者は大型株から」といった言説が半ば常識のように語られます。しかし、私はこの考え方に強い違和感を覚えています。むしろ、NISAで長期投資をするなら、小型株の方が合理的ではないかと考えています。
理由はシンプルです。時価総額が巨大な企業には、現実的な意味での“伸びしろ”がほとんど残っていないからです。たとえばトヨタのような企業が、今後10倍になる可能性を本気で想像できるでしょうか。成長は続くかもしれませんが、株価の上昇余地はすでにかなり削られています。
一方、時価総額50〜100億円規模の企業であれば、事業が軌道に乗るだけで株価が数倍、場合によっては10倍以上になる可能性があります。もちろんリスクはありますが、「リスクがある」という点では大企業も同じです。東芝、シャープ、日産など、かつて誰もが安心だと思っていた企業が大きくつまずいた例はいくらでもあります。
さらに問題なのは、企業が大きくなりすぎると、個人投資家が事業の全体像を把握できなくなることです。たとえば三菱商事が「どうやって儲けているのか」を、簡潔に説明できる人がどれほどいるでしょうか。膨大な資料を読み込んだとしても、事業が多角化しすぎていて、全貌を理解するのはほぼ不可能です。
その点、小型株は事業がシンプルなケースが多く、売上や利益に影響を与える変数も限られています。何が起きれば業績が伸び、何がリスクになるのかを、自分の頭で考えられる。この「理解できる範囲で投資する」という感覚は、長期投資において非常に重要だと思います。
私は「大企業だから安全」「小型株だから危険」という二元論には与しません。むしろ、理解できない巨大企業に投資することの方が、よほど危うい賭けではないでしょうか。
自分が握れるサイズの事業に投資する。NISAで長期保有するなら、私はこれを選び続けたいと思います。

