3年前、家族で大分を旅行した。日田の清流、別府の湯けむり、九州の奥地に広がる手つかずの自然。観光客として楽しみながら、頭の片隅でふと思った。「この土地、ポテンシャルがあるな」と。
私の投資の根底にある考え方のひとつに、「人間のあらゆる経済活動は、自然資本を経済資本に転換するプロセスだ」というものがある。スマホも、食品も、エネルギーも、元を辿れば自然界の物質から作られている。だから、豊かな自然資源を持つ地域には、長期的なポテンシャルを感じてしまう。かなり飛躍した発想かもしれないが、これが私の投資センサーの一部だ。
PBR0.2倍という異常値
旅行からしばらく後、地銀セクターを眺めていると、大分銀行のPBRが0.2倍という数字が目に入った。当時は銀行セクター全体が割安放置されていた時期で、別に大分銀行でなくても値上がりはしたと思う。ただ、その中でも際立って低かったのが大分銀行だった。
大分旅行の記憶が背中を押した面は正直あった。論理的な投資判断とは言いにくいが、「知っている土地の銀行」という感覚が、割安株を拾う踏ん切りになった。2600円で100株、購入。
2年後、9600円で売却
それから2年。経営陣は優待新設・増配・株式5分割と、PBR改善に向けて手を打ち続けた。直近の値上がりペースは凄まじく、第3四半期決算を前に「もう相当な期待を織り込んだな」と感じた。
迷わず売った。9600円。+270%、約70万円の利益だった。
旅と投資は意外と相性がいい
振り返ると、この投資で学んだことは「現地を知っている」という感覚の価値だ。数字だけ見ていたら、地銀100行の中から大分銀行を選ぶ理由はなかった。でも、あの清流と温泉の記憶が、PBR0.2倍という数字をリアルなものとして受け取らせてくれた。
なお、もう一つ持っている九州FGをどうするかは、まだ考え中だ。









